ここ数日の間に、キヤノンとニコンの中級デジ一眼の新型が発表されました。買う気は無いものの気になる要素もあるので、少し触れてみます。

 キヤノンが「50D」、ニコンが「D90」。価格差はD90が約3万円やすいようです。
 オレがニコンユーザであることからニコンを贔屓目に見ていることを考慮したとしても、今回はD90の方が良い気がします。
 50Dはどうやら40Dの後継という位置づけでは無いようで、しばらく併売されるようですね。それは良いのですが、ならばなぜAPS-C機の決定版といえるようなものにしてこなかったのか、疑問が残ります。
 イメージャが1510万画素となりましたが、このクラスのカメラを買うユーザにはそれほどの魅力にはならないでしょう。多くの場合において、これだけの高画素が必要ないことを知っているからです。
 たとえば5万円高くしてでも視野率を100%にしたり、連写を8コマにしたりといった要素をいれても良かったんじゃないでしょうか。
 ライブビューでのコントラストAF搭載や背面液晶の高画素化、高感度域使用可能、CFのUDMA対応などは最近のトレンドを取り入れた進化と言えますが、新たな魅力にはなり得ていません。
 そんな50Dですが、注目なのは映像エンジン「DIGIC 4」でしょう。この新しいエンジンが果たしてどういった絵を生成するのか、これはこれ以降のキャノンのデジ一眼にも影響することですので、注目に値するでしょう。
 一方のD90ですが、こちらはニコンらしいミドルクラス機の仕上がりとなったようです。D200が出た後のD80のように、今回もD300の特徴をうまく落とし込んだ感じがします。イメージャも同じものっぽいですし。更にD700からinfoボタン等を引き継いだりしていますね。
 50Dと同様に、こちらも背面液晶の高画素化や高感度域使用可能になりました。もうミドルクラスではこれが当たり前になりつつありますね。
 D90のウリは、やはり動画撮影可能という点になるのでしょうか。確かに720pでの撮影が可能というのは良いですが、24fpsでしかも最大5分というのはちょっと残念ですね。
 動画撮影をメインに据えてこのカメラを買う人がどの程度いるのか謎ではありますが、コンデジがだいぶ前から動画撮影可能だったことを考えると、それに慣れているコンデジユーザがステップアップとしてD90を選ぶ可能性は十分あり得ますね。
 両者の比較という点では、価格が高いだけあって、性能的には50Dに分があります。連写速度は50Dが上ですし、AFセンサも50Dは全9点がクロス化されています。
 他方、重量はD90の方が100g強軽いようです。
( `.∀´)
 オレが50Dに対して良い印象を持っていないのは、たぶんキヤノンのAPS-C機ラインナップに50Dの上のクラスが無いこと、つまりAPS-C機の決定版が存在しないことが割と大きくて、この50DがキヤノンのなかでのAPS-C機の最上位機種になってしまっているという点を不満に感じています。
 
 ニコンD90の場合は上にD300がありますが、キヤノンにはそれがありません。この違いです。ステップアップをするにも、選択肢が限られてきます。特にレンズ選択の幅が狭くなることを痛いと感じる人は多いはずです。
 このあたりは、ニコンの販売戦略が間違いなく勝っていますね。ラインナップがうまく出来ています。
 キヤノンは昨年の年末商戦からニコンに押されていますが、今回の発表においてもそれが出てしまった感があります。
 ロングヒット商品となっている「5D」の後継をまだかまだかと待っているユーザは多いと思いますが、今回それは出ませんでした。おそらく年末にあててくるのだと思いますが、ペースを上げて先行するニコンを果たして追い抜けるか。完成度の高い機種の後継というのは開発が難しいと思いますが、頑張って欲しいものです。

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