衆議院の国土交通委員会で、関係者の証人喚問が行われました。まぁようやくというか。それを見ての雑感など。
姉歯氏は、この問題において偽造を実際に行った張本人であるので必然的に注目されるわけですが、今後は全体像が明らかになっていくにつれ、この人への非難の声はやわらいでいくでしょう。
結局この人のやった事というのはいわば常人のボンクラ的なものの象徴というか、誰しもが持ち合わせている弱さによるものであって、存在としてはそれほど特異なものでは無いと言えるでしょう。始めから悪いことをしようと思って建築士になるヤツはいないわけで、何故悪さに手を染めることになってしまったかに焦点を絞ってみれば、シンプルに捉えられるでしょう。
勿論いかなる理由があったとは言え、この人のやった事は許されることではありません。しかし、ウィークポイントを突かれる状況においても己の信じる正しい道を突き進める人など滅多にいないわけで、いわば聖人でもない限り、誰しもが姉歯になってしまう可能性を誰もが否定できないでしょう。事の大小が違うという意見もあるでしょうが、本質的な違いがそこにあるとは思えません。
篠塚支店長は、悲しきリーマンの姿が見え隠れします。営業成績第一主義にしか自己の価値を見いだせないというか、そこにしか価値がないのがリーマンというか…。
この人の答弁は矛盾がありましたね。姉歯氏に「鉄筋を減らすように」という指示をしたことは認めても、そこに法的基準を無視しろというニュアンスは含めて無いと。これはおかしいですよね。支店長は姉歯氏を「耐震設計のプロ」としているのに、その姉歯氏に「これ以上は無理」と返されても再三にわたって「もっと鉄筋を減らせ」「従わないと事務所変えるぞ(=クビ切るぞ)」と言っているわけですから。プロがもう限界であると言ってるのにそれ以上の鉄筋減らしを無理強いしているわけですから、これは明らかに支店長が法的基準を無視しろというニュアンスを含めたに他ならないでしょう。「法的基準を無視」を「耐震効果が無くても構わん」と置き換えても良いですね。これだけわかりやすい論理矛盾も無いと思いますが…。
木村社長はよくわかりません。耳が遠いということですが、肝心なところになるとボケるわけですから。
内河所長は、すっかりマスコミ(ワイドショー)で黒幕扱いになってますね。実際に黒幕なのかどうかはわかりませんが、少なくともこの人には大人の世界というか黒い世界というか、そういうのが感じられますね。民主党の馬淵委員から四ヶ所氏(これも相当珍しい名前ですね)のメモを明らかにされたのはかなり大きかったですね。これを知らぬ存ぜぬで切り抜けるのはまず無理でしょう。
( ´ Д `)
視聴率がとれるのでそうしてるのでしょうけど、ワイドショーなどちょっと騒ぎすぎですよね。まぁ毎度のことですが、マンションの住民へのインタビューとか、不要でしょう。意図的な「現場の声」ほど要らないものはありません。
耐震偽装問題についての雑感