まず中央馬と地方馬の力関係ですが、このレースが創設された1999年から昨年2004年までを振り返ってみますと、中央馬が4勝に対し地方馬2勝となっています。優勝した地方馬は1999年のオリオンザサンクスと2001年のトーシンブリザードで、1999年は中央馬の参戦が2頭しか無く、またそのレベルもオープンレベルではありませんでした。2001年の中央馬はそこそこ
のレベルでしたが、勝ったトーシンブリザードは紹介するまでもなく当時の南関東のスーパーホースで、JDDまで南関二冠含む無傷の7連勝できていた馬でした。
以上より、地方馬が勝つ場合は、中央勢のレベルが著しく低いか、地方勢に南関二冠馬クラスの馬がいる場合のみ、ということが言えます。
それに当てはめてみると、今年はどうでしょうか? 言うまでもありませんね。中央勢のレベルは、ここまで3歳ダート路線を引っ張ってきたメンツが揃って登場してきましたので、どんなに捻くれてみても低いとは言い難いです。対する地方勢ですが、残念ながら二冠馬のシーチャリオットが回避してしまいましたので、二冠の2,3着馬が出ていると言っても共にシーチャリオットに完敗したメンツですので、残念ながら中央勢とのレベル差は相当あると言わざるを得ないでしょう。地の利を活かしたとしても、中央勢を凌駕するパフォーマンスを出すとは到底思えません。
まとめますと、今年は中央勢圧倒的有利というスタンスで良いと思います。
個々のメンツ的には、中央勢ではやはりカネヒキリが他を圧倒してるのは言うまでもありません。前走ユニコーンSでは派手な着差がつきませんでしたが、「何が何でも賞金を積む為にスタート今ひとつでも敢えて勢いつけて先行させたので、向こう正面では結構脚を使った」と武豊騎手が述懐していますし、先頭に立ってからソラを使っていたようにも見えました
ので、この一戦だけを見て「追われて面白みのない馬」といった評価を下してしまうのは早計かと思われます。勿論、穴党ならばそういった点を引き合いにして軽視するのも一興だと思えますが…前日予想では、カネヒキリ中心で問題無しとしておきます。懸念材料は、大井の砂が合うかどうかだけでしょう。
相手は普通に考えればドンクール、プライドキム、コンゴウリキシオー、アグネスジェダイとなります。しかしこの4頭にそのままカネヒキリから流しても、儲からないどころかガミってしまう可能性もあります。なので取捨選択が必要となってくるわけで、このレースはここに最大の重きをおくのが最善かと思われます。
ここでは、相手筆頭としてアグネスジェダイを挙げておきます。この馬は相手なりに走るといいますか、自分の走りが出来ればそうそう大崩しない点が相手としては最高ですね。
ドンクールとプライドキムは、前走を見る限り上積みがもうあまり無さそうで、ちょっと強調はしづらいですね。兵庫CSでドンクールがジェダイ以下を抑え勝利しましたが、あの時のジェダイはスタートで躓きがありスムーズさを欠きましたので、兵庫CSだけをみてドンクール優位とするのは無理があると言えます。
初ダートとなるコンゴウリキシオーは正直走らせてみないとわかりませんが、血統の字面から言えば軽い砂でマイルくらいに適性が一番ありそうに見えます。藤田騎手へ戻るのは良いと思いますが、それ以外に推せる要素はありません。
地方勢で有力なのはマズルブラスト、メイプルエイト。ただ、シーチャリオットのもとで崩れず安定した成績という以外に強調材料はありません。レースが乱れれば地の利を活かして食い込んでくる可能性はゼロではないでしょうが、三連系の抑えまでが妥当じゃないでしょうか。
以下ブラウンコマンダーや、東海ダービー1,2着の2頭などは、鞍上効果含めても苦しいと言わざるを得ないでしょう。これらよりは、大穴としては大外ボンネビルレコードで、文男JKの一発を夢見た方がいいかも知れません。
シーチャリオットの回避によってカネヒキリVsシーチャリオットという対決は見ることが出来なくなり残念ですが、ここは見方をかえて、秋以降のダート路線に繋がるレースとして、見所のあるレースを期待します。
◎カネヒキリ
○アグネスジェダイ
JDD前日予想