9月も結構読書に時間が割けました。
1 | 天才アラーキー 写真ノ方法 | 荒木 経惟 | 集英社 | 新書 | ★★ |
2 | 「勝ち抜く大人」の勉強法 | 中山 治 | 洋泉社 | 新書 | ★★ |
3 | 自転車で痩せた人 | 高千穂 遙 | 日本放送出版協会 | 新書 | ★★ |
4 | ぺダリスト宣言!―40歳からの自転車快楽主義 | 斎藤 純 | 日本放送出版協会 | 単行本 | ★★ |
5 | 蹴りたい背中 | 綿矢 りさ | 河出書房新社 | 文庫 | ★★ |
6 | 手にとるように幕末・維新がわかる本 | 岸 祐二 | かんき出版 | 単行本(ソフトカバー) | ★★ |
1は、アラーキーの本。ダベっているのをそのまま本にした感じで、しかも基本がおちゃらけた感じなので、なかなか読みづらかったです。ですが所々にアラーキーらしい表現による写真の本質のようなものがあって、そのあたりはなかなか参考になりました。
2は、いわゆる勉強法の啓発本。2001年刊行でちょっと古いかも。
日本人はオカルト的要素が思考の中に入り込んでいるのが問題という点が強調されていて、その点はよく理解できましたが、それ以外の多くの項目はよくあるこの種の本と大差ありませんでした。
3は、いわゆる自転車のススメ的な本。作家だけあって非常に読みやすい文体で、一気に読んでしまいました。
タイトルほどダイエット的要素を前面に出した内容ではなく、かといって自転車マニア的な内容でもなく、あくまで一般人的見地から書かれています。著者は週4日、毎回2時間以上のトレーニングをやっているそうですが、それを押しつけたり強調することはなく、様々な自転車の楽しみ方に触れています。
全体的なまとまりが薄い感じではありますが、自転車に関するエピソード集と捉えることもでき、なかなか楽しめました。
4も、自転車のススメ的な本。ですが高千穂さんのに比べると、こちらは少々かたい感じの本で、自転車やロードレースの歴史とかエコの面からの自転車利用など、扱われている内容も広範囲なものでした。
やや気になったのは、こちらは目線が少々上から書かれているような感じがしたところで、特に「○○なやつはバカ」といった感じのことが皮肉られて書かれており、またそれが狭いポイントのものであったりして、あまり気分のいいものではありませんでした。
単なる入門本・啓蒙本ではなく、一冊の本として志を高く持ち文化的な部分や環境問題も取り扱い、内容を充実させた感じは理解できるのですが、もう少し柔らかくても良かったのではないかと思いました。
採点は星2つですが、実質1.5点くらいになります。
5は、作品よりも作者の方が話題になった感のある作品。確かにアイドル的要素のある作家ってなかなかいないですからね。
内容の方は結構暗めで、クラスのなかの孤独だとかサディスティックな衝動だとかが描かれているわけですが、割と淡々とした感じですね。時折あらわれる極めてソフトなエロ要素とか、変わり者の二人のやりとりがどこかコミカルであるところなどから、全体として陰鬱さがそれほどなく、読みやすかったです。
それにしても、作品の内容は別にしても「蹴りたい背中」というネーミングセンスは秀逸だと思います。
6は、松本清張の時代小説を少し読んで、幕末維新への興味が軽くわいてきた時に本屋で遭遇したため、購入。ペリー来航から西南戦争まで、見開き1ページで一つの項目が簡潔にまとめられていて、読みやすかったです。
幕末維新は非常に短期間の間に事態が二転三転し、なおかつ戦国時代のように思想目標が単一ではなく複数入り交じっていてなかなかわかりづらいわけですが、この本は事象の連続性を消さずに見開きで区切って説明されており、全体像の把握という点で非常に参考になりました。これをベースにしてより細かいものを読んでいけば良いわけですね。
オレは桜田門外の変以後あたりから大政奉還あたりまでのイベント、例えば尊皇攘夷派の勢いだとか長州征伐のあたりは、知識として殆ど持ってなかったので、その点だけでもなかなか有益な読書となった感があります。