Category: JRA


天皇賞(秋) 回顧

天皇賞(秋) 競走成績
 驚きの結果となりました。牝馬ヘブンリーロマンスが、内目をロスなくするすると伸びてきて、天覧競走となったこの天皇賞を勝ってしまいました。
 ストーミーカフェが逃げてタップダンスシチーが番手追走という流れになったのですが、前半5F通過が62.4ですからね。古馬のGIとしては超がつくスローとなりました。
 こういうペースになると外をまわって差す馬達には厳しく、オレが本命に推していたスイープトウショウは5着が一杯でした。何しろ上がり3Fの一番遅いのが逃げたストーミーの34.1ですからね。勝ち馬と2着ゼンノロブロイは32.7ですから、これを差すには32秒前半以上の脚を使わないと逆転出来ない計算になってしまいます。それは馬場や馬の故障を考えたらそれはあまりに現実的でない数字であり、このへんが後ろからいく馬の宿命でもありますね。
 3着ダンスインザムードは北村宏騎手が好騎乗しました。遅い流れを敏感に察知し、積極的な競馬で久々に見せ場を作ってくれましたね。
 それを猛追したゼンノロブロイはやっぱり強かったです。この馬はペースがどうであれ確実に上位にきますね。一叩きされた次走(JC)はまず中心視して良いでしょう。
 タップダンスシチーは今回は全く良い所なし。前をいくストーミーを交わすシーンくらいはあっても良かったと思いますが…。さすがのタップも年齢的なものがあるんでしょうか。
 サイン読みではないですが、天覧競走=天皇=女帝天皇ということで牝馬が注目されてたりしましたが、まさに上位5頭のうち3頭が牝馬という結果になりましたね。ただ、その中でもヘブンリーロマンスが勝ってしまうとは、サプライズ以外の何物でもないわけですが…。まぁ、ミッキー(松永幹夫)の晴れ顔が久々に見られたのは結構悪くなかったです。

菊花賞 回顧 (ディープインパクト三冠達成)

 強いの一言でした。今日に関しては周りの馬がどうの馬場がどうのこうのは関係なくて、ただ純粋に強い競馬をして勝ちましたね。それはハロンタイムにもあらわれていまして、上がり3Fでは33.3という一頭だけ次元の違う脚でした。また最後の1Fが11.6であることから、その前の1Fは10秒台であると想像できます。この点だけみても、まさにこの馬が怪物であるという証明が出来ることでしょう。
 ただ、今までのレースのように、楽勝でなかったのも事実だと思いました。一周目のホームストレッチでは馬が掛かり気味になり武豊も折り合うのに専念してました。向こう正面では他馬が周りにいなくなり落ち着いていましたが、こういうレースぶりを見ていると本質的にはステイヤーでは無いんだなと感じました。
 また、最後の直線でフルギャロップになった時、さすがに少し内にヨレましたね。まぁ他の馬に比べれば微々たるものですが、それでもやっぱり苦しかったんだと思います。何というか、初めてこの馬の「馬らしさ」が見えた気がしますね。今まではこういう苦しい部分を見せることなく楽勝してきましたんで。
 このあとは年末の有馬を目標として、余裕があればJCもというローテなんだと思いますが、ちょっとJCは厳しいんじゃないですかね。さすがに今回は疲れが残るでしょう。
 来年以降については、是非とも積極的に海外に行って欲しいものです。今の古馬陣では、この馬の相手は役不足ですから。深い芝があわずに欧州では全く通用しない可能性もありますけど、このまま国内で無敗とかやっていても何も新たな価値は生まれないということを、忘れてはいけません。
(0^〜^0)
 2着アドマイヤジャパンはとにかく横山典騎手のファインプレーでした。終始積極的な競馬で、見せ場たっぷりでしたね。ダービーのインティライミもそうですが、ディープを負かすとすればこういう競馬しかないということを見せてくれました。まぁ、そういった策もディープには通用しないということも改めてわかったわけですが…。
 3着以下については特に語ることはありません。人気馬がそれぞれ無難な競馬をしたという印象ですね。
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 しかしまぁ、このディープフィーバーというのはちょっと受け入れがたいですね。ハルウララの時もそうでしたけど、こういうブームの中に本質はありません。確かに強い馬が強い競馬をするのは競馬の醍醐味の一つですが、競馬は一頭でするものではありません。
 まぁみんなこういう流行的なのが好きなんでしょうね。それでお祭り騒ぎが出来るのであれば、幸せなのかも知れませんが…。もしディープが負けたとすれば、負かした方を悪者扱いするんでしょうねw。

菊花賞 前日予想

 週中にNHKのニュースで取り上げられたり、一般紙夕刊の一面を飾ったりと、レースが終わったわけでもないのにこれだけ競馬が注目されるというのは、実に久しぶりではないでしょうか。もっと言えば、オグリ以来かも知れませんね。
 ただ、天の邪鬼的にみれば、この一連の話題性というのは、どうも不自然なんですよね。特に、胴元であるJRAが、まるで三冠が確定しているかのようなプロモーションをしているというところに、非常に強い違和感を持ちました。
 確かに、年々売り上げが低迷しているJRAからすれば、ディープインパクトの存在というのは救世主的なものであり、これを何とかしてスターホースに仕立て上げなければならないというのは理解はできます。しかし、意図的に作り上げられたスターホースというものに、一体どれほどの価値があるのでしょうか。競馬というものにドラマ性があるのであれば、それは人為的で無いからこそ有り得るのではないでしょうか。
 八百長とは言いませんが、前日の東京最終にて三連単の配当記録が更新されたというニュースもタイミングが凄すぎます。
( ● ´ ー ` ● )
 んで菊花賞そのものですが、現段階では一応
◎ディープインパクト
○シックスセンス
▲ローゼンクロイツ、ピサノパテック
△アドマイヤフジ、フサイチアウステル
 という感じです。人気通りの無難な予想で申し訳ありませんが。
 ディープ本命は仕方ないでしょう。この馬で一番怖いのは落馬だけです。とにかくゲートの出が悪い馬ですから、落馬の可能性だけは常につきまとっていますので。武豊も菊花賞ではノーリーズンでスタート直後落馬という苦い経験がありますので、この点だけを心配しているのではないでしょうか。
 対抗にシックスセンス。まぁこれは対抗というより、安定した2,3着候補という意味合いです。ただこの馬は人気になると走らないという天の邪鬼的な所があり、全幅の信頼はおけません。
 単穴に2頭推すというのはやや不自然ですが、甲乙つけがたかったので。共に血統が魅力でして、特にローゼンの方は母父にネヴァーベンドが入っているのが面白いですね。
 馬券的にはディープの相手探しとなりますがこれがなかなか難しく、また配当も期待できませんから、基本的には観ているだけでいいレースだと思います。
( ´ Д `)
 まぁ三冠馬誕生というシーンよりも、早く古馬との対決を観たいですね。
 もしディープが負ける事があったとしたら、勝った馬が「刺客」と呼ばれるのかも知れません。そう、ブルボンの三冠がかかっていた時の、ライスシャワーのように。(余談ですがブルボンは当時7番枠、今回のディープも7番枠。)
 もしそうなったら、衆院選と相まって、今年の流行語大賞は「刺客」で間違いないでしょうね。

秋華賞 回顧

 やっぱり、二強対決となりました。
 エアメサイアがクビ差勝ったわけですが、実質的には二頭の差はこの程度ということでしょう。ただ、向いている双方違うので、今後も同じような結果になるという保証はありませんが。
 あとは追う者と追われる者の有利不利とか、ライクラの本質的な距離適性とか、騎手の差とかも勿論あるでしょうね。舞台設定がエア向きだったのは誰もが認めるでしょうが、ライクラにとってもローズSの時よりは条件が好転したのも事実です。
 3着にニシノナースコール。これは横山典の好騎乗でしたね。空いていた内を見事に突いてきました。これは巧かったですし、やはり馬も強いんでしょう。今後に注目の一頭です。

秋華賞 前日予想

 予想も何も、今年はラインクラフトが勝つか、エアメサイアが勝つか、この点だけを見ているのが一番面白いでしょう。正直他馬に付け入る隙は無さそうです。降雨が相当影響しそうなので注意が必要ですが。

スプリンターズS 回顧

 前日予想を載せませんでしたが、一応サイレントウィットネスとデュランダルが抜けた存在とみて、それらを凌駕するパフォーマンスは無理だろうけどもユタカマジックでひょっとしたらという単穴的存在がアドマイヤマックス、そしてオッズ妙味がありそうだったケープオブグッドホープ、あとは三連単の抑え評価でマルカキセキ・シルキーラグーン・プレシャスカフェ、という予想でした。人気通りの無難な予想で申し訳ないのですが、あんまり変な決着は想像できなかったんですよね。
 レースは、サイレントウィットネスの完勝でしたね。強かったです。隙もありませんし、この馬は何回走っても高いパフォーマンス見せてくれるでしょう。まさにこういう馬こそ、真にタフで強い馬だと言えます。
 日本総大将のデュランダルは例によって末脚に賭けたわけですが、上がり32,7を持ってしてもさせないのでは仕方ないでしょう。サイレントを交わすには数字上は32秒前半の脚を使えば良いということになりますが、それを休み明けの馬、しかも中山で望むのはさすがにあり得ないでしょう。むしろ故障の方を心配してしまいますね。
 アドマイヤマックスも良く伸びてきましたね。最後はデュランダルと同じような脚色になった感もあります。波の大きい馬ですが、意外とGIでは安定していますよね。
 まぁ完全に人気通りの決着となったわけですが、レースは非常に見応えありました。まさにスプリント王決定戦にふさわしいレースになったと言えるでしょう。強い馬が強い競馬をしたというオルソドックスな競馬になりましたが、やはりこれが一番興奮しますね。

全レースのパトロールビデオが!

GCおしらせ
 ぬぉぉ、コレは凄い。今までパトロールVつったら、審議の時に対象部分が放映されるとか、重賞のみとかでしたからね。
 パトロールビデオって何だよと思われるかと思いますが、これは競馬において競技の公正さを保つために記録されているもので、通常のレース映像ではわかりづらい「横」の動きが非常にわかりやすく映っているものなのです。どの馬に不利があったとかが、一発でわかるんですよね。
 通常のレース映像と比べると迫力とかは全くありませんが、馬一頭一頭の動きを把握するにはこのパトロールビデオを観るのが一番なのは間違いありません。
 まぁ今まで何で放送してくれなかったんだよという話なんですけど…。

はくぼ競馬

 昨年から始まった「はくぼ競馬」ですが、今年は3場開催においての時間のスライドが昨年のそれとは少し違っていまして、非常に解りづらくなりました。
 なにしろ、レースの進行が、小倉9R→新潟10R→函館9Rといった感じに進みますからね。昨年は北海道場所だけズレていたので理解できましたが、今年は小倉もスライドしてますので非常に理解しがたくなっています。
 誰が喜ぶんですかね、コレ。客としては、メインレースが終わってからも(最終が買いたい人には)2時間くらいダラダラと競馬やることになりますし、JRAの従業員は単に労働時間が延びているだけでしょうし。
 どうせやるなら、ナイター競馬くらいやって欲しいところですが。

訃報二つ

破壊王・橋本真也さん死去…早すぎる40歳 (SANSPO.COM)
Park24 [プレスリリース]
 上はプロレスラー橋本真也の記事。下はパーク24の創業者で馬主の西川清氏の記事。どちらも訃報です。
 橋本で思い出すのは、高田とのIWGPヘビー戦ですかね。オレはどうしても高田に肩入れをして観てしまうのですが…橋本も強かったですね。思えば三銃士のなかで始めて長州越えをしたのは、この橋本でした。そういう意味では、三銃士の中では橋本が一番早く芽が出たと言えるのかも知れません。
 小川との対戦の頃からはどうでも良くなってました。負けたら即引退とか何とか。
 西川清氏は、馬主歴は浅いんですけど、GI含めて重賞勝ち馬を多く出しましたね。小島太も大きなパートナーを失って痛いところでしょう。

宝塚記念回顧

 既に2週間前のレースですが、一応回顧メモを。
 まずタップの敗因ですが、これは不安定なラップ刻みが原因かと思います。中盤で12秒台に落ち着いたと思いきや、11.8になり、そのあとまた12秒、そして11.7、以下12,1-11.8と…均一にラップを刻めれば多少速くなっても粘るのが逃げ馬なのですが、このラップではいくら格上といっても厳しいでしょうね。
 年齢的な衰えとみる方もいるかも知れませんが、確かにそれもあるかと思います。しかし、急激に衰えるというのは考えづらいので、このメンバー相手ならば実力を出し切って大敗というのは無いと思うのですが。
 バルクやシルクなど先行勢が、タップを意識しすぎるあまり、どこか不自然なレース運びをしてしまっていたという感じもします。まぁバルクは開き直って逃げたわけですが、今度は逆にそれをタップが意識し過ぎた感もあり。
 勝ったスイープトウショウは、昨年の牝馬クラシック路線や今年の安田記念での脚を思い出せば、今回の勝利も別にフロックでは無いと言えるでしょう。あまりに皆がタップVsロブロイという図式に捉えすぎていて、オッズ的にはかなりの妙味だったと言えるのではないでしょうか。
 ハーツは伸びるも勝ちきれない2着。これがこの馬のらしさなんでしょうか。
 ロブロイは…昨年の秋GIの3連勝があるので、イメージとして現役最強というのがありましたけど、1年前を思い出してもらえばわかるとおり、この馬はよく取りこぼす馬なんですよね。
 まぁ、レースとしては…面白みもありましたけど、今年の古馬の層の薄さが出てしまった感じがしますね。ちょっと残念な面もあり。